省エネ補助金の補助率・補助額の仕組みをわかりやすく解説
制度・仕組み
公開: 2026年4月5日
更新: 2026年4月5日
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この記事の結論
省エネ補助金の補助率と補助額は、企業規模・設備種別・申請する制度の種類の3つの要素で決まります。中小企業であれば最大2/3が補助され、数百万円〜数億円規模の設備投資を大幅に軽減できます。
省エネ補助金の補助率・補助額はどう決まる?
省エネ補助金の補助率と補助額は、企業規模・設備種別・申請する制度の種類の3つの要素で決まります。中小企業であれば最大2/3が補助され、数百万円〜数億円規模の設備投資を大幅に軽減できます。
本記事では、各制度ごとの補助率テーブル、具体的な計算例、補助額を最大化するための上乗せ要件までを詳しく解説します。
補助率の基本ルール
- 中小企業(資本金3億円以下 or 従業員300人以下): 補助率最大2/3
- 中堅企業(資本金10億円以下): 補助率最大1/2
- 大企業: 補助率1/3
- 補助上限: SII補助金で最大15億円/事業
制度別の補助率一覧【SII・ZEB・脱炭素化】
省エネ補助金の主要3制度について、企業規模別・申請方式別の補助率をまとめました。
| 制度 | 申請方式 | 中小企業 | 中堅企業 | 大企業 |
| SII補助金 | 告示基準型 | 2/3 | 1/2 | 1/3 |
| オーダーメイド型 | 1/2 | 1/3 | 1/3 |
| エネマネ事業 | 1/2 | 1/3 | 1/3 |
| ZEB補助金 | 全方式共通 | 2/3 | 2/3 | 2/3 |
| 脱炭素化推進補助金 | 事業種別による | 1/3〜2/3 | 1/3〜1/2 | 1/3 |
制度ごとの詳細な要件は省エネ補助金の種類一覧をご覧ください。
中小企業の定義【業種別の判定基準】
補助率の優遇を受けるための中小企業の定義は、中小企業基本法に基づき業種ごとに異なります。資本金または従業員数のいずれかを満たせばOKです。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
| 製造業・建設業・運輸業等 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
みなし大企業に注意
資本金や従業員数が中小企業の基準を満たしていても、大企業が株式の2/3以上を保有している場合は「みなし大企業」として中小企業の補助率が適用されません。グループ会社の資本関係を事前に確認しましょう。
補助額の計算例【設備別シミュレーション】
実際のケースを想定して、補助額の計算例を紹介します。
例1: LED照明の全館更新(中小企業・告示基準型)
| 設備費 | 300万円(LED照明器具 + 制御装置) |
| 工事費 | 100万円(取付・配線工事) |
| 補助対象経費 | 400万円(機器費 + 工事費) |
| 補助率 | 2/3(中小企業・告示基準型) |
| 補助額 | 266万円 |
| 自己負担 | 134万円 |
| 年間電気代削減 | 約80万円(省エネ率60%) |
| 投資回収 | 約1年8ヶ月 |
例2: 高効率空調への更新(中小企業・告示基準型)
| 設備費 | 1,500万円(高効率パッケージエアコン 10台) |
| 工事費 | 500万円(設置・配管工事) |
| 補助対象経費 | 2,000万円 |
| 補助率 | 2/3(中小企業・告示基準型) |
| 補助額 | 1,333万円 |
| 自己負担 | 667万円 |
| 年間電気代削減 | 約250万円(省エネ率40%) |
| 投資回収 | 約2年8ヶ月 |
例3: 太陽光発電 + 蓄電池(中小企業・脱炭素化推進補助金)
| 太陽光発電(50kW) | 1,500万円 |
| 蓄電池(30kWh) | 1,000万円 |
| 工事費 | 500万円 |
| 補助対象経費 | 3,000万円 |
| 補助率 | 1/3(脱炭素化推進補助金) |
| 補助額 | 1,000万円 |
| 自己負担 | 2,000万円 |
| 年間電気代削減 | 約300万円 |
| 投資回収 | 約6年8ヶ月 |
補助上限額と設備種別ごとの上限
SII補助金の補助上限は事業全体で最大15億円ですが、設備種別ごとに個別の上限が設けられている場合があります。
| 設備カテゴリ | 補助上限の目安 | 備考 |
| 高効率空調 | 事業全体で15億円まで | 複数拠点一括申請可 |
| LED照明 | 事業全体で15億円まで | 同上 |
| 産業用ヒートポンプ | 事業全体で15億円まで | 省エネ率の上乗せ加点あり |
| BEMS/FEMS | エネマネ事業枠 | 3年のエネマネ契約が必要 |
| ZEB関連設備 | 5億円/事業 | ZEB補助金の枠 |
対象設備の詳細は対象設備・対象経費の完全解説をご確認ください。
補助率の上乗せ要件・加点ポイント
通常の補助率に加えて、以下の要件を満たすと補助率の上乗せや審査時の加点を受けられる場合があります。
| 上乗せ要件 | 効果 | 対象制度 |
| 省エネ率50%以上 | 審査時の加点 | SII(オーダーメイド型) |
| CO2削減量が大きい | 審査時の加点 | 脱炭素化推進補助金 |
| 賃上げ表明 | 補助率+5%〜+10% | SII補助金全般 |
| 事業継続力強化計画認定 | 審査時の加点 | SII補助金全般 |
| ZEB認証取得 | 補助率の優遇 | ZEB補助金 |
賃上げ表明で補助率アップ
SII補助金では、従業員への賃上げを事業計画で表明すると補助率が+5%〜+10%上乗せされる場合があります。事業計画書にの書き方については事業計画書の書き方ガイドをご参照ください。
補助額を最大化する5つのポイント
同じ設備投資でも、申請の工夫次第で受け取れる補助額は大きく変わります。以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 中小企業の認定を確認する: 中小企業に該当すれば補助率が最大2/3。みなし大企業に該当しないか資本関係を事前確認。
- 告示基準型を優先検討する: オーダーメイド型より補助率が高い(中小企業2/3 vs 1/2)。認定リスト掲載設備で対応可能なら告示基準型を選択。
- 複数制度の併用を検討する: SII補助金(設備本体)+ 脱炭素化推進補助金(太陽光・蓄電池)+ 自治体補助金(工事費)の3制度併用で自己負担を最小化。
- 上乗せ要件を活用する: 賃上げ表明・事業継続力強化計画認定など、追加の加点要素を事業計画に盛り込む。
- 専門家に相談する: 省エネコンサルタントや補助金の専門家に依頼すれば、最適な制度の組み合わせと申請書類の品質向上が期待できます。